銘酒?、、、『村さめ』『庭さめ』『直さめ』、、、迷酒!
『二人旅(ににんたび)』~『煮売屋』
気楽な二人連れの道中。
行灯(あんどん)に何か書いてある。
「一つ、せ、ん、め、し、あ、り、や、な、き、や」
「そうじゃねえ。一ぜんめしあり、やなぎ屋じゃねえか」
茶店の婆さんに酒はあるかと聞くと
「いいのがあるだよ。じきさめ、庭さめ、村さめとあるだ」
「へえっ、変わった銘だな。何だいそのじきさめってのは」
「のんだ先から直に醒めるからじきさめだ」
「それじゃ、庭さめは?」
「庭に出ると醒めるんだ」
「村さめは?」
「村外れまで行くうちに醒める」
まあ、少しでも保つ方がいいと
「村さめ」を注文したが、
肴が古いと文句を言いながらのんでみると、
えらく水っぽい。
「おい、婆さん、ひでえな。水で割ってあるんだろう」
「何を言ってるだ。そんだらもったいないことはしねえ。水に酒を落としますだ」
上方落語、長い連作シリーズ『東の旅』の一部、
『七度狐』と題されるくだりのその発端。
『野辺歌』~『煮売屋』
四代目柳家小さんが東京に移したもの。
『能狂言』でも、この件が出てくる。
(円生がかつて演ったくらいで、今では「おだぶつ噺」?)
この発端の『野辺歌』で、こんな都々逸が出てくる。
「雪のだるまをくどいてみたら、何にも言わずにすぐ溶けた」
こう言うの、良いなあ。好きだなあ![]()
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